城江克紀のナンパ修業時代

色道に向き合うブログ。2017年11月より、ナンパの名門校、HNSでの日々を描く。2018年5月、改名。

8/30合流会感想其の二:ナンパと麻雀 

8/30合流会感想:其の一の続きです。
 
突然だが、ナンパと麻雀は似ていると思う。
どちらも可能性を追う遊戯であり、どこかアウトローな印象がついて回る。
そして、其の一で引用した芥川龍之介の指摘通り、どちらも偶然と闘う性質を持つためにプレイヤーは、神秘的威厳を持つ。
なればこそ、麻雀なら勝負師や雀士、ナンパであれば色事師、ナンパ師といったcoolな称号で呼ばれるのである。
ナンパ 麻雀で検索すると私の他にも同じような見方をしている方もいらっしゃることから、必ずしも私一人の妄想では、ないらしい。


さて、合流会の感想に戻ろう。結果が出ないまま、うろついていた私は、雀荘帰りらしい二人組を見たことをきっかけに以前からしばしば考えていた、上記のナンパ観を思い返した。
同時に雀聖と呼ばれた天才勝負師、阿佐田哲也の「博打は、運のやりとり」という言葉が頭をよぎる。

こんな偉そうなことをいいながら、麻雀は漫画とパソコンのゲームでかじった程度なのだが[賭けることは一切ないので、私をはめようとしても無駄である(笑)]
運がきていない場合
①その原因を見極め、流れを変える
②ツキが戻るまで、耐え、体勢を整える
③勝負を降りる
といった選択肢があると思う。

私は、ひとまず②を選択、駅に戻り、気持ちを落ち着けた上で、①に取り組む。
いつもの声かけと比べてみると不調の原因が功名心が生み出す緊張であることが分かった。
そして、今の私には、功名心と緊張を取り除くことは、難しいと考えた。
ならばっ……
      
       《功名心を利用しろ!!》  

自然と答えは、出ていた。
緊張は、英語でテンションだから、あえて不自然なくらいハイテンションな声かけをしたなどという言葉遊びは、キラキラ系OLを飲み屋に連れ出したあとに思いついた後付けの理由にすぎない。

このときの私は、功名心を完全に制し、繁華街夜の魔物さえも追い詰めた気になっていた。

変化は、突然、訪れる。
連れ出したOLが今、彼氏がない上、明日も仕事が休みだというのだ。
「このあと、どうしよっか~」

圧倒的、チャンス……!

脳下垂体がそう囁くのと同時に私の体は、小刻みに震えていた。

興奮によって……《ではない》

成功への恐怖によってである。

成功への恐怖をごく簡単に説明すると物事が余りにも上手くいったときに
「こんなに順調に進むはずはない」
という思いから、機会を台無しにしてしまうことで、私の場合、特に異性関係でこれが起こりやすい。

〖美人局か? シャワー中の窃盗か? いやいや、OLさんだからその可能性は、低いだろう。でも酒が入っていることを理由に訴訟をちらつかせるかも……〗

自分で作り上げた無茶苦茶な幻影に思わずたじろぐ。

それでもここまでなら、まだ、ましだった。
line交換をしたのだから、今日は遅いし、会ったばかりだという理由で解散すればいいのである。
そして、彼女化を狙っていけば、相手の人となりも見えてくるし、なによりもう一般的な恋愛と同じだから、トラブルが起きた場合にも恥じることなく対応できる。

そもそも私は、いわゆる“即”を狙う感じは、自分に合わないと前から思い、ルソーさんの講習でも
「難しいと思うんですけど、準即……なるべくなら彼女化を目指してナンパしたいっす!」
と伝えていたのだ。

だから、解散なら解散と宣言すればいいのだが、ここで飼い慣らしたはずの功名心が檻を抜け出し、暴れる。

〖ブログ、今が大事なときだろ! そもそも即できそうなのを見送るなんて、それでもナンパ師か? ルソーさんや合流した仲間たちは、きっと……〗

気が付けば、私はアクセルとブレーキを同時に踏まれたような状態になっていた。


結局、決断できずにテンパってしまった私は、「守ってくれる男がタイプ」と言っていたOLから愛想を尽かされてしまう。

失意のまま、深夜の歌舞伎をさまようことになるのであった。