城江克紀のナンパ修業時代

色道に向き合うブログ。2017年11月より、ナンパの名門校、HNSでの日々を描く。2018年5月、改名。

8/30合流会感想其の三:強さの理由

ルソーさんのナンパ合流会感想其の二の続きです。

連れ出したOLに愛想を尽かされ、繁華街をさまよう。
後一歩のところまできて、テンパって自滅したのだ。

「そういえば、テンパるって、麻雀であと一牌で上がれる状態であるテンパイが語源なんだよな……」

麻雀でいうなら、テンパイ状態から、高得点の上がりを目指して危険牌で勝負することも見切りをつけて安全牌で凌ぐことも出来ず中途半端な牌を打ったら、相手の当たり牌で、結果、振り込んでしまった。
といったところか。

路上の吐瀉物、ポン引き集団と見知らぬおじさんの喧嘩が容赦なく私の心をへし折ってくる。
ナンパに取り組んで以来、最大級の孤独が襲ってきた。
深夜の繁華街は、煙りと怒号、吐瀉物と嬌声が渦巻く沼だ。
ルソーさんは、こんな場所で生き抜いている!

肩まで沼に浸かり、戦意を喪失した私がそれでも帰らなかったのは、講習のときからずっと聞きたくて、でも機会がなかったある質問をルソーさんにするためだ。

「どうして、ルソーさんは、そんなに強いのですか?」
「…………」
「では、もし、ルソーさんなら、こんなとき、どうしてました?」

私は、今までのことを早口でまくし立てた。

ルソーさんは、嫌な顔ひとつしないで、耳を傾けると
「即をすると長期の恋人関係を築くのは、難しくなります。“克也”さんは、どうしたかったんですか?」
と尋ねた。

ルソーさんから、一人のナンパ師としての人格を認めて頂けたことの嬉しさに胸がはちきれそうになった。

私は、目的を意識してナンパを進めることの大切さを知った。即を捨てることになるかもしれないし、凄腕ナンパ師として、皆に認められないかもしれない。

だが、それがどうした?

『アカギ』や『カイジ』の作者、福本伸行は、ギャンブルで大切なのは、「自分で約束事を決めて、それを守れたかどうか」と述べている。

ルソーさんには、自分で決めたことを守って突き進んでいく強さがある。……

そんなことを考えながら、後ろ姿を見送った。

その背中は、神秘的な威厳に満ちていた。


ルソーさん、ゆう吉さん、あおはるさん、本当にありがとうございました!

るいさん、お会いしたかったです。